バルバラ異界 (1) (flowers comics)
Author: 萩尾 望都
Edition: コミック
Publisher: 小学館
ISBN: 4091670415
Rating:
based on 6 reviews
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第27回日本SF大賞おめでとうございます
- 久しぶりに萩尾先生の本を手に取りました。ストーリーの展開はまさに萩尾ワールド。バルバラをキーワードに織り成す多重世界、「11人いる!」や「銀の三角」をネームを覚えるほど読んだ頃のことも思い出しました。おすすめできる傑作です。
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未来、火星、絶望する少年
- 夢を渡る、
心臓を食べて眠りつづける少女、
絶望しつづける少年。どれもが興味を惹かれるガジェットで、収束できるのか心配になるほど
謎が次々と広がっていきます。
しかし、一番の見所は主人公キリヤの絶望ではないかと。
常に自分が正しいと思っているヒステリー症の母(まじ怖い)に、
幼い頃別れた父、時夫。
時夫は個人としてみれば少々頼りないところもあるけど好もしい人物。
だけど父親とするとあまりにコドモっぽい。
当然キリヤはまともな人間関係は気付けず、一匹狼で絶望している。また、ヒロイン青羽の祖母である十条菜々美もかなり際立っている。
最愛の夫は叔母と駆け落ち、
最愛の娘は孫に食べられて死亡。
頭が良く、気力もあるけれどどうしようもない怒りと諦めの中で生きている。
老境の女の哀しみがリアルです。メインの謎も勿論、それに絡む人物たちの心理劇にも目が離せません。
登場人物の名前もあまりに意味深い。
緻密に練られた物語に是非嵌って欲しいと思います。 -
予想を覆す強度
- 久々に2度読みをしてしまった。
1巻目にして既に様々なイメージが交錯中。火星は、
カニバリズムは、どうストーリに関連していくのか?
秋葉原が出てくるがバルバラと関係あるのだろうか。
エズラ、ヨハネ、キリヤ、彼らの過去は?
そして、家族の惨劇の真相は?前作「残酷な神が支配する」も込み入ってけれど、
今度はきっと「銀の三角」の込み入り方に近いかも。
希望的観測でしょうか。オカルトなところは「リング」を思い出してしまった。
お父さんは人の夢に入り込めるある意味超能力者だし、
夢を映像化したバルバラ異界は、怖くはないけれど、
「リング」のあのビデオ映像がちらつく。いずれにせよ期待も謎も膨らむ一方です。
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ファンタジーあり、スプラッターあり。
- 「待ってました!」のSF。期待は裏切られませんでした。作中の「火星」「赤い星」というコトバは『スター・レッド』を思い起こさせます。そしてこの最新作進化形では、これまで作者が興味を持ち探究し集積した知識がいつものことながら縦横無尽に炸裂。前作『残酷な神が支配する』とはまた別なタイプの、底知れぬパワーを感じました。
先が読めないストーリー展開。少女が心臓を食らうというショッキングな事件にまつわる謎解きが鍵となります。時は2052年。1巻で死人がはや数人。ちょっとテンポが速すぎる? 渦巻く人間関係が最後に見せてくれる終局はなにか。これもまた先が長いのかもしれませんが、早く知りたい、読みたい、たまらない。
おすすめ参考図書は『魂の伴侶』(ブライアン・L・ワイス)。前世療法について少し知っておいたほうがより楽しめるのではないかと。
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キーワードは「バルバラ」
- 舞台は21世紀半ばの日本。人の夢を映像化する装置や、人の夢の中に入れる”夢先案内人”なる特殊能力を持つ職業が存在する時代です。
製薬会社の孫娘青羽が9歳のとき、両親が心臓をえぐられて殺される事件が起こりますが、実は妻が夫を殺し、妻も自殺、その心臓を青羽が食べたらしい。それ以後、青羽は意識不明の状態で眠ったまま6年が経ちます。”夢先案内人”時夫が彼女の夢の中に入ると、そこはバルバラと呼ばれる楽園のような島で、彼女は幸せに暮らしていました。しかし、その島は時夫の息子(息子が2歳のときに離婚し、時夫は息子の事をほとんど知りません。)が創造で作った島でもあったのです。青羽の祖父にあたる男の研究、時夫の別れた妻の恋人の孤児救済計画、それぞれが「バルバラ」というキーワードで繋がっていきます。
夢を題材にしたSFという形をとっていますが、本当のテーマは親と子の関係のようです。今後の展開が見逃せません。